脳腫瘍とは

脳にできる腫瘍の総称です。良性から悪性のものまで様々な種類があり、予後も異なります。また小児と成人では、種類や発症部位に違いが見られます。
大人は、人口10万人に12人の割合で発症するといわれ、小児は10万人に1人と推定されています。

脳組織自体から発生する原発性脳腫瘍と、他の臓器のがんが脳へ転移してきた転移性脳腫瘍の2種類があります。

腫瘍ができた場所、大きさ、種類、および悪性度によって治療法を選びます。治療方法には、手術、放射線療法、化学療法などがあり、脳外科だけでなく様々な診療科の協力が求められる集学的治療が必要となる場合が多くあります。

また成長途中の小児の場合は、治療方法の決定は複雑で難しく、他の専門分野の医師の協力が必要な場合もあります。

数多くある脳腫瘍の正確な診断と一つひとつの性質にあわせた治療法が必要であり、それによって予後が大きく変わる場合もあります。

脳腫瘍の種類

脳腫瘍の種類はとても多く、頭蓋内に発生するあらゆる新生物が「脳腫瘍」ということになります。

・原発性脳腫瘍別発生頻度は神経膠腫が最も多く、次いで髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫の順。
神経膠腫（Glioma ｸﾞﾘｵｰﾏ）の中でも最も発生頻度が高いのは膠芽腫（glioblastoma),星細胞腫（astrocytoma),髄芽腫（medulloblastoma),乏突起膠腫（oligodendoroglioma)上衣腫（ependymoma)の順。また、混合神経膠腫（Mixed　glioma）などもあります。

＊腫瘍倍加時間（doubling time)とは：腫瘍が２倍になるまので時間

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JBTAでは、脳腫瘍に関する書籍をいくつか購入しています。

＜最新＞
・脳・神経・脊髄　イラストレイテッド　監修　松谷雅生　藤巻高光　2010/2
・患者と読む、患者と話す脳腫瘍Ｑ＆Ａ１３５　著者：藤巻高光
・脳神経外科バイブル検'昭鞜腓魑罎瓩
・脳神経外科　専門家にきく最新の臨床
・がん化学療法と患者ケア
などなどありますので、詳細が知りたい方はご連絡ください。toiawas
治療にあたっては、患者や家族らの知識のボトムアップも必要となります。

＜参考までに＞

目次は
　　抜粋
第1章 脳腫瘍へのプロローグ
　☆脳腫瘍に必要な解剖と機能
　☆脳腫瘍に必要な病態生理・頭蓋内圧・頭蓋内圧亢進・脳浮腫など
　☆脳腫瘍に関連する症候群。兆候

第2章脳腫瘍へズームイン
☆定義、発生頻度と種類、分類、生命兆候、主要症状、脳腫瘍と頭蓋内出血―腫瘍内出血を呈する脳腫瘍、脳腫瘍と脳動脈瘤の合併、石灰化をきたす腫瘍、髄腔内播種、転移、混合腫瘍、腫瘍マーカー、関連遺伝子、細胞周期、細胞死、画像検査、生理学的検査、Performance status 　治療、治療効果の判定　治癒の判定

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☆神経膠腫　
☆星細胞系腫瘍　星細胞腫、退形成性（悪性）星細胞腫、膠芽腫、毛様細胞性星細胞腫他
☆乏突起膠細胞系腫瘍　乏突起膠腫、退形成性（悪性）乏突起膠腫　
☆上衣系腫瘍
☆脈絡叢乳頭腫
☆中枢性神経細胞腫
☆胎児性腫
☆髄膜腫
☆血管外皮腫
☆下垂体および下垂体近傍腫瘍
☆嚢胞および腫瘍類似病変☆松果体部腫瘍
☆神経鞘腫
☆頭蓋内胚細胞腫瘍
☆血管芽種
☆頭蓋内脊索腫
☆頭蓋内脂肪腫
☆脳原発性悪性リンパ腫
☆転移性脳腫瘍

第3章脳腫瘍バージョンアップ（抜粋）

☆混合神経膠腫：一つの腫瘍の中に2種類以上の神経膠腫の組織像からなるものをいう。乏突起星細胞腫Oligo-astrocytoma　退形成性（悪性）乏突起星細胞腫Anaplastic (Malignant)oligo-astrocytoma　
☆脳幹部神経膠腫☆頭蓋内原発性悪性黒色腫
☆下垂体疾患
☆神経鞘腫
☆頭蓋内胚細胞腫瘍
☆神経細胞系および混合神経細胞・膠細胞腫瘍
☆悪性リンパ腫
☆小児の脳腫瘍
☆視床下部過誤腫
☆高齢者の脳腫瘍
☆部位別の脳腫瘍
☆家族性脳腫瘍
☆偶発性(無症候性)脳腫瘍
☆転移性腫瘍
☆脳の放射線障害　一次障害、急性障害、遅発性障害、二次障害、石灰化
☆鑑別困難な脱髄疾患など

第４章便利編
☆重症度および機能評価分類
耳より情報編
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上

患者と読む、患者と話す脳腫瘍Ｑ＆Ａ１３５　

著者：藤巻高光＞2007年10月~の目次も一部抜粋します。

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患者さんご自身やご家族、学校の先生、会社の同僚など医療関係者以外が読まれて、脳腫瘍を理解していただけるように書いた。とありました。とてもわかりやすく書いてあります。

□脳腫瘍を理解するために知っておきたい基礎知識
１、頭蓋内圧とはなんですか
２、頭蓋内圧が高くなるとどうなるの？
３．脳ヘルニアって何？
４．脳ヘルニアが起こるとどうなりますか？
５、脳腫瘍の兆候は？すべての脳腫瘍に頭痛は起こりますか？
６．脳浮腫とはどんなことですか？なぜ起こりますか？治療はどうしますか？
７、脳腫瘍の治療で使われるおもな薬は何ですか？
８、脳脊髄液って何？
９．髄液の流れが悪いとどうなりますか？
１０．髄液が漏れているというのはどういうことですか？困ったことなのでしょうか？
１１、髄膜炎とはなんですか？
１２．水頭症ではどんな治療が行われますか？
１３．てんかん発作はなぜ起こりますか？
１４、てんかんが起こるとどうなりますか？
１５、てんかんの治療はどうしますか？
１６．抗てんかん薬はどんな薬ですか？どのようなものがありますか？
１７、抗てんかん薬を服用しているときの注意点は何ですか？
１８、抗てんかん薬の血中濃度はどうやって検査するのですか？
１９．人工呼吸器というのは何ですか＞
２２．病状が悪化して、臓器移植ドナーになれますか？

□脳腫瘍とは
２３、脳腫瘍って何？
２４、どんな腫瘍がありますか？
２６グレードとは何ですか？
２７、脳のどんな部分にも脳腫瘍はできますか？脳のどこの場所に脳腫瘍はたくさんできますか？
２８、脳腫瘍ができる危険な場所は？
２９、どの程度の頻度で起こるのですか？
３３、脳腫瘍の原因は何ですか？
３４、脳腫瘍は遺伝子しますか？
３５、脳腫瘍と言われました。手術をしないほうがいい場合というのがありますか？
３７、夫が膠芽腫と言われました。膠芽腫は予後が悪いと聞きました、いっそ手術など受けさせたくないのですが。

□検査と診断
３　検査と診断
４　治療
　1　治療について知っておくべきこと
　2　外科的治療
　3　放射線治療
　4　化学治療
　5　その他の治療
５　副作用
６　転移
７　リハビリテーション
８　日常生活
９　学校生活
10　ターミナルケア
用語解説 索引