咳のタイプで異なる急性気管支炎の治療 - ニュース - Nikkei BPnet
かぜをこじらせると、「急性気管支炎」を起こすことがある。急性気管支炎は、気管支の一時的な炎症で、細菌やウイルスなどの感染が原因だ。熱はさほどでもないが、コンコンという乾いた咳が続き、しばらくたつと、痰を伴った咳に変わる。冷たい空気やほこりなどを吸い込むと、それが刺激となって急にせきこんだり、ひどい咳のために胸や筋肉が痛くなる――などが特徴である。
急性気管支炎の治療は、咳を止める対症療法が中心になる。西洋医学では、咳や痰が多いときには、鎮咳去痰薬やうがい薬がよく使われる。普段の生活では、安静と保温が基本で、冷たい空気や乾燥によって気道を刺激しないよう、部屋を暖かくし、湿度を一定以上に管理するのが重要だ。もちろんタバコは厳禁である。
皮膚炎、さまざまなタイプの
漢方医学では、急性気管支炎に対し、熱があるかどうか、どのようなタイプの咳が出ているか、患者の体格など、幅広く見極めながら薬の処方を考えていく。
体力がある人で咳がひどく、痰も多いときには「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」がよく使われる。重い咳と、なかなか切れない痰に効果があるが、胃腸が弱い人には向いていない。
中肉中背の人で、咳、痰のほかに、鼻水やくしゃみがある人には「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が使われる。小青竜湯は「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」といった音のする湿った咳に対して用いる漢方薬で、乾いた咳には使わない。
肋骨下の上腹部の右側の痛み
「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」は、やせて虚弱体質の人に向いている。背筋に悪寒が強く、血行が悪くて顔が青白かったり、手足が冷たいなど、低体温の傾向がある人に対してよく処方される。
体力があまりない人で、乾いたコンコンという咳が出る場合には「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」をよく使用する。ひどいせきこみで吐きそうになったり、のどに乾燥感があってムズムズするような場合に有効といわれている。このとき、痰はほとんどなく、あっても少量である。
最近、麦門冬湯に関する臨床的な研究が進んできている。鎮咳作用のある医薬品と、麦門冬湯を使用して、かぜの後に出てくる咳に対す る効果を調べた研究では、麦門冬湯のほうが、咳を止める効果が早く現れることが確認されたそうだ。
ほてり薬のハーブ
さまざまなタイプの咳に対し、それぞれに適した漢方薬が複数存在する。これが漢方の強みといえよう。
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